この可愛い“丸いサイコロ”との出会いは2019年の末に遡る。私が初めてフィンランドへ訪れた際に、モダンアートの美術館 Amos Rex (アモス・レックス) で見つけたものだ。

Image: Amos Rex
Amos Rex (公式HP) は2018年にオープンした近代美術館で、ヘルシンキの新しい観光名所にもなっている場所だ。
Amos Rexに限らずだが、私はモダンアートの美術館が好きだ。正確には、モダンアートの美術館のギフトショップがとても好きなのである。
多くの近代美術館では、モダンアートのスタイルを持った雑貨を多く取り扱っており、ニューヨークのMoMAやロンドンのテートモダンなども可愛らしい雑貨や小物をたくさん取り揃えていた。

MoMA Design Storeは日本でもLoftなどでストアを出店している
Amos Rexにも、展示されていた近代美術のレプリカやポストカードに加えて、多くのモダンアートアイテムが溢れていたが、特に気に入って日本に持ち帰ってきたのが、今回ご紹介する「丸いサイコロ」である。

最初見たときは手を伸ばさずにはいられなかった。このサイコロが何気なくテーブルに置いてあったならば、おそらくあなたも手にとって転がしてみたくなることだろう。そして、皆が疑問に思っている事の答えにたどり着くのである。
「丸いサイコロって、サイコロの役割を果たすの?止まるの?」

答えは“YES“。中に鉄球のようなものが入っており、6面になる箇所には磁石がついているのだろうか、かなり不自然な動きをして急に止まるのである。
過去にカナダでくだらないおもちゃに出会ったことがある。その名も「真っ直ぐ進まないゴルフボール」である。ゴルフボールの重さが片方の半球にえらく偏っており、真っ直ぐパット打ったとしてもヨレヨレと全く別の方向へ転がってゆく。

カナダで購入したゴルフボールのおもちゃ
日本では楽天市場で購入可能なようだ / 楽天市場の商品ページを見る
今回出会った「丸いサイコロ」たちも同じような動き方をして、しっかりと静止して1から6のいずれかの数字を指し示してくれる。普通のサイコロとしても機能する優れものであった。
私はこの丸いサイコロたちをとても気に入って3色購入した。確か一つ€3 (約360円くらい) だったと記憶している。
私はその時、丸いサイコロを後でインターネットで購入しようと考えていた。
しかしながら、記憶したブランド名を後日Googleの検索窓に入れて調べてみても、同じ商品が全くヒットしなかったのである。確かにサイコロは出てくるのだが、丸くてかわいい今回目的のサイコロは出てこなかった。
それもそのはずで、記憶したブランド名である”noppa“は、フィンランド語でサイコロを表す単語であり、単にその値札は「サイコロ売ってまっせ」と表示していたに過ぎなかったのである。
かなりの時間をかけてインターネット上を探し回ったが、「似たようなもの」はあれど、色のバリエーションまで一致したものはほとんどなかった。
会社の後輩がフィンランド旅行に行くという噂を聞いた際には、後輩にこのサイコロの仕入れ元をAmos Rexでヒアリングするというお遣いを頼んだことさえある。
だが、後輩が訪れた時にはそのサイコロは見当たらず、店員も仕入先は分からないと言っていたそうで、そのお遣いは見事に失敗に終わった。

ということで、この可愛い「丸いサイコロ」をたくさん輸入して将来自分の雑貨屋を開いた時に販売するという小さな夢は砕け散ってしまった。とても気に入っているアイテムであるだけに残念である。
そんなこんなで今回は私がヘルシンキのモダンアート美術館Amos Rexで購入した「丸いサイコロ」を紹介した。いつか私の元に可愛い丸いサイコロたちがやってくることを心待ちにしている。